2013年5月12日日曜日

しばしの別れ 5月10日

 
今日は、1年生の「文字をすべて習ったお祝い」の日だった。
服や帽子は、すべて先生とお家の方の手作り。紙や布、シールをうまく使って作ります。
簡単に言うと、学年末の授業参観の発表会のようなもの。習った文字の詩を読んだり、歌を歌ったり、踊りを踊ったり。
華美な恰好やお金のかかった演出にはいまだに慣れないが、一生懸命話す姿やお家の方の笑顔はやはりいいものだ。
 
青年海外協力隊は、基本的に2年間の派遣だ。
ただ私は「現職教員特別参加制度」を使ってきているので、派遣前訓練・準備期間を含めての二年。実質、派遣は1年9か月となる。
6月25日にモンゴルに降り立ち、
ゴビスンベル県に派遣されたのは8月半ば。
 
まだ9か月。
しかし、来年はこのお祭りに私はいない。そう思ったら悲しくなってびっくりした。「帰国」を初めて意識した。
 
おりしも、今日はこの学校での活動最終日。次に来るのは来年の1月の予定。つまり、寮にいる高校3年生の7人の子達とはもう会えないことになる。
 
今日は部屋にたくさんの訪問客が来た。
何故か気に入ってくれ、毎日遊びに来ていた高校生は、「今日本当に帰っちゃうの?やだなあ。先生、最後にハグしよう!」とぎゅ~とあつい抱擁をしてくれた。
モンゴルでは、抱擁をしたり、ほっぺにキスをすることはごくごく自然な信愛の印。
 
5年生の子どもたちは、何回も何回も訪れ、たくさん手作りのプレゼントをくれた。
 
コップ(モンゴル語で「アヤガ。」アヤカと似ているので、いつも自己紹介に使っていた)や物入れ、たくさんのお花、さらにクラスみんなでの大きな合作までくれた。
この子は、わざわざ家に帰ってプレゼントを見繕ってくれたらしい。
これなあに?と聞くと、「え~っとその、骨みたいなもの。」
手作り以外のものは一度断るのだが、どうしても、と言っておいてかえってしまった。
 
今日は最終日だったので、先生たちに授業についてのセミナー。
1「考える力」の必要性と授業準備
2図工の授業準備について
3算数の授業準備
4絵具、筆、パレットの準備、管理の仕方
 
たくさんのものを学んだよ、ありがとう!と、こんな素敵なプレゼントまでいただいた。
「今の時期、試験が色々会って忙しかったから家に呼べなくて残念!次の時は全員の先生の家にいらっしゃい!」先生たちの仲がよく、笑いが絶えない。
とっても素敵な学校だった。
 
「夕飯ができたよ」と呼びに来てくれた時間からしばらくたって、寮にごはんを食べに戻る。先生たちは「ここで待っているから早く食べておいで」と。
 
私としては寮の子達にさようならをきちんと言いたかったのだが、金曜日の夕方には多くの子どもが自宅に帰ってしまう。残っていた子はわずかだった。
全部切り紙で手作り。図案も自分で考えました。馬模様、かっこいいでしょ?
高校3年生のこたち作った「卒業おめでとうカード」も、直接渡せたのは2人。
・・・でも、それでよかったのかもしれない。
 
最後に子どもたちとハグをしていたら、悲しくなってしまった。
私はやっぱり、別れは苦手だ。
 
帰り道、荷物が多いからといって子どもたちが先生の部屋まで運んでくれた。
「忘れないでね!」というと、「大丈夫、絶対忘れないよ!」と子どもたち。
この9か月、ここまで濃い人間関係を作ったことは初めてだった気がする。
本音で向かい合い、たくさんの時間を過ごした子どもたち。
 
帰り道には、素晴らしい夕日が見えた。地平線に落ちる夕日。
また、シュエーゴビ村の主な産業、地下資源の発掘の場所にもよってくれた。
 
感動の別れ、そしてチョイルにたどりつく。
ありがとう、シュエーゴビ。
 
鑑賞に浸りながら部屋のドアをあけると、異臭。
ん?
 
電気が つかない・・・。
 
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
 
まさかの停電。
後からわかったことは、いたずらでブレーカーを落とされていたということ。
異臭の原因は、冷凍庫。
首都で買った豚肉、もらったハムや牛肉が、それはそれは、恐ろしいことになっていましたとさ・・・。
 
ちーん。
 

 

 

 

 

浴衣でカレーライス

「アヤカ、寮のみんなに、日本のごはん作ってよ!!」と、調理員さんに頼まれた。
約30人分の日本食。
さあ、何を作ろう!??
 
迷わず 「カレーライス」!
「伝統的な料理ではなくってもともとは他の国から伝わってきたんだけど、今は日本風にアレンジされてて、子どもに大人気な料理!」と説明。間違えてないよね?
 
今日は朝から算数の授業の参観。
正直、びっくりした。
このテストまっただ中の忙しい中、ここまで準備してきていると思わなかった。
時間は、通常40分のところが一時間にまで延びた。
授業の始めの面積の復習や、導入の話し合いについつい力が入って長引いてしまったこと、
練り上げの場面も、発問に思ったよりも子どもたちが乗ってこなかったことが反省点。先生も事後の話し合いで「これで完璧!と思って準備したけど、ここで思ったよりも子どもがのってこなかったのよね。原因は何かしら。」と言っていた。




でもこの反省点、レベルがものすごく高い。
私はいい授業だったと思う、と一番初めにコメントした。
だって、授業を通して先生はずっと、「今日のめあて」を意識して指導していた。
あと、先日私がしつこく言った「決まりをはじめに教えるのではなくって、自分たちで考えさせたことからまとめを作る」ことを、根気強く実践していた。また、実態を見ながら授業を軌道修正していたことも素晴らしかった。
素直に感動した。
 
 
その後、4年生二クラスでの、日本文化紹介。
NARUTOの話がでたり
浴衣を着なおしてみせたり



日本の写真はとっても反応がいいです。
(ちなみにジャイカのカレンダーを活用。)
やっぱりどうしても、クラスごとに内容が変わっていく。これが面白い。
 
 
授業後、5時からカレー作り。
ウルズィーエグチが、野菜の皮むきまでやっておいてくれてた。
今日のカレールーは、首都に行った際に調達したもの。
提供してくれた方々、改めて感謝!
同じ銘柄がそろうわけもなく、色々なメーカーのもののミックス。辛口が多いのがちょっと心配。
 
授業後、5時からカレーライスづくりのスタート。
24人分のごはんなんて、作ったことない!!
ジャガイモやニンジンの皮むきや肉を細かく切ることは、調理員さんたちが手伝ってくれた。大量の玉ねぎに涙・涙・涙!
「みんなよく食べるから、このくらい入れないと!」と、箱に書いてある3倍の量のじゃがいもを入れる。
 
これがまた、すごい量!
なかなか火が通らず、意外と時間がかかってしまった。
今日の授業で浴衣を着ていたのを見ていた子がいて、「アヤカ、あんた日本の服着てらっしゃい!」
 
ということで、浴衣でカレーライス!!!
 
オルゲルボルトは「うまい!先生、浴衣すごく似合うね!!いや~日本に旅行してるみたいだよ。」と言ってくれた。大人だなあ。
ということで、「カレー+子どもたち」特集!
 





説明を追加

 







 


 
 

2013年5月11日土曜日

作品展を開催します@シュエーゴビ村三番学校 5月7日

図工の授業がすべて終了!!今日から、全学年の作品をたくさんの人が見られる場所に貼り、作品展を開催しています。
来られる方は、是非!!!
 
・・・といっても来られる方はとっても少ないと思うので、ここに紹介したいと思います。
「3番学校 小学生の夢の作品展」
 
1年生
「一つの形から・・・へ~んしん!」
 一つの形から、何が作れるかな??じぶんでおった かたちをいかして、いろいろなものに
へ~んしん!!

 
 






 ⇒さんかくのかたちから、やまと きを つくったよ。
←おうちのやねとき、ぼうしとおようふくをつくったよ。



2年生
「夢の村”三番学校”」
この世界の中に、「三番学校」っていう村があるんだって。そこの村には一体何があると思う?
いらない素材を活用して、素敵な村を作ったよ!
 

僕の大好きなぞうもいるよ。箱をいくつも
組み合わせて作ったよ。
余談ですが、モンゴルの図工は基本的には一時間で行われています。しかし、指導要領をきちんとみれば、目的を合わせて一つの単元をじっくりすることも可能です。今回はチャレンジとして2時間続き×2 の 計4時間の単元にしてみました。 単元目標としてはちゃんと4時間分のものをおさえてのチャレンジ。先生方も手ごたえを感じてくれたようで、新しい可能性を感じました。



前の時間に足りなかった材料を、家から探して持ってきたよ!
グループのみんなで、どんな絵を描くか話し合い。
「私の宝物の石がたくさんある場所には、山があるよ。」



合作の絵の上に、作品を並べていきます。



最後に班ごとに発表会。夢の村ができたね!



 
3年生
「こんな木あったらいいな」
私の学校に、どんな木があったらすてきかな?
木の ねっこ、みき、枝をよ~くみて、絵の具を使って ゆめの木を描いたよ!

(先輩隊員・西村優美さんの指導案、日本で教えた授業からアイディアをもらい作りました)






春になり、今か今かと待ちわびているふっくらとした芽。根っこや幹、枝の形や生え方、
色をよく見ただけでなく自分の手でさわり、感触を確かめました。

自分でたくさんの色を作って、色とりどりの夢の木を描いたよ!
 

木はざらざらしていていろんな色があったよ。
大きい木と小さい木を親子みたいに描いたよ。
 
4年生
「私の乗り物で 
       さあ行こう!!」
みなさんはどこか行ってみたい場所はありますか?そこには何で行きますか?
ボール紙や色々な素材を活用して、どこにでも行ける乗り物を作りました。
さあ、行こう!
 



宇宙へ行こう!惑星のぼこぼこは
ボタンで作ったよ。

 
僕は海にも入れちゃう車で日本へ。
海の中ではお散歩もできるよ。

憧れの海へ。海にはヘビもいるよ。   僕は憧れのアメリカへ。アメリカの
夕暮れの時間に行きたいな。        国旗模様のヘリコプターだよ。

 
          
僕の乗り物は、ほうき!大自然の中を旅するよ。


 



 
5年生
「ありがとう、3番学校~感謝を込めて花束を~」
 ~私たちは6月に小学校を卒業します。~
もし小学校が無かったら、勉強も出来なかったし、先生や友達にも出会えなかったね。
3番学校、ありがとう!花束を作って学校にプレゼントしたよ!
 
 
この形、自分で考えたんだよ!いいでしょ?

二つ重ねて、真ん中には色を塗ってみたよ。




 

授業を教える際に作った単元名と、何を考えて何で作ったのか、一言説明を掲示しました。こうやって飾ればより興味もわくし、鑑賞の時の視点となります。
 
うれしいのは、中高生も足を止めて作品を見てくれること。「これはいいね」何て言う言い方をしちゃう子もいますが、「う~んみんなよくかけてるね!この色いいね!」って鑑賞してくれている子も。
改善策として、さっき「作品展の決まり」を貼ってきました。




★触っちゃだめだよ!






★失敗、間違い、だめ、一番いい作品 は無いよ。
それぞれのいい点を見つけながら見よう!

 



 
鑑賞の基本。伝えれば学んでくれるはず。
 「貼る前に床に並べてみて、バランスを見る。」
「近い色やテーマのものは、なるべく遠くに貼る。」
「子どもの目線でよく見える範囲に貼る。」
絵の掲示の仕方も、先生に伝えました。











「スペースが無いから教室の前でいいわよ。」「もう貼ったわ。」という声も多々ありましたが、ねばって交渉、中央のスペースにみんな貼り直しました。

子どもの作品を見るお家の方、弟や妹の作品を眺める中高生、展示されている自分の作品を誇らしげに紹介する小学生たち。

その様子をみて、「こうやって展示することの大切さがわかった」と先生方。
予想以上に実り多き作品展となりました。