2013年2月24日日曜日

友だちいっぱい!日本とモンゴルのかけはし


みなさん、こんにちは!サエンバイノー!!

2月は日本に一時帰国しました。東っこに、あるものを届けにいったのです。

話は1月にさかのぼります。
図工や算数の授業を、5年生は全クラス回って教えていくうちに、
「アヤカ先生、日本の遊びを教えて!」「日本の写真を見せて!」
という声があがるようになってきたことをきっかけにし、モンゴルで日本についての授業をしました。

私は日本から持ってきた浴衣を着て登場。
みんなから
「おおお〜〜!」という声。
「似合う?」「似合う〜〜!
「先生は今日は何を着ているんだと思う?」「日本の服でしょ?すてき〜!」

優勝者とはハイタッチをしました。
ですって!本当にみんな素直でとっても反応がいいんです。これは浴衣といって、簡単な日本の伝統的な服なんだよ、と説明。
一人では着られなかった浴衣も、この日のために練習して出来るようになりました笑

さて、まずはアイスブレイク。
日本の遊び、「じゃんけん!」簡単にグー、チョキ、パーの説明と、どちらが勝つのか話し合ってからすぐにゲーム。全員立って、私とじゃんけん。
「じゃーんけーん ぽん!」歓喜の声と悲鳴が混じります。
時々間違えている子に、
「お前すわれよ〜!」とか、
「まだ立っていいんだよ!」と教え合いながら大騒ぎ。

空気が和んだところで質問。

「モンゴルはどこにある?」
この質問にはみんな自身満々!
「私たちのモンゴルは、ここにあるよ!」大正解!
「じゃあ、日本はどこにあると思う?」
この質問にもたくさん手が上がります。が、なかなか正解が出ません。それもそのはず、モンゴルでは地理は中学生から。世界地図も、あまり見た経験がないようです。手伝って、どうにか正解!


場所が分かったところでズームをし、大きさを見比べてみます。
モンゴルの国土は、日本の4倍。モンゴルはとっても大きな国なのです。

モンゴルの人口については、前回の算数の授業で触れていたのでみんな覚えていました。2011年の統計では、約280万人。さあ、では
日本の人口は何人くらいだと思う?
100万人!200万人!50万人。
しめしめ。
ここで正解を見せます。
約1億2千8百万人!

「えええええええええええ!!!!!」
「あ、アヤカ先生、なんで日本は小さい国なのにそんなに沢山人がいるの?!!」
そりゃあびっくりします。日本は島国であり、その狭い国土にたくさんの人口がいます。
一方、モンゴルの人口密度は世界の中でもとっても低い。
こんなに顔もそっくりで近い国なのに、こんな違いがあることにとても驚いたようでした。

日本の学校の様子を見せ、感想を聞く。
「こんなに近い国なのに、知らない事がいっぱいあった!」
「顔が似ている!制服が無くてびっくりした!」
「日本のみんなと友だちになりたい!」

そこで、「今度日本に行く時にモンゴルについての授業をしたいと思うのだけれど、先生もまだ良く知らない。だからみんな手伝ってくれる?」
「やるーー!!( ^ ^ )」
ということで、モンゴルの何について紹介したいか話し合い、一時間が終了。

授業後にパチリ!みんな良い笑顔でしょ??

一日後にまたお邪魔をして、モンゴルの子どもたちから東っ子へのあいさつと、モンゴルについての紹介をしてくれたものをビデオにとりました。
少ない日数にも関わらず、写真やシャガイ(羊のくるぶしで作った伝統的な遊び道具)、乳製品、お手紙。たくさん準備をし、たくさんのものを持ってきて発表してくれた、先生と子どもたち。目がきらきら輝いています。

しかしながら、文化を紹介しているムービー。こ、言葉が難しい・・・!!

ビデオを何度も聞きながら翻訳、字幕をいれる作業に負われた1月w

心優しいモンゴルの友だちが楽しみながら翻訳作業に手伝ってくれ、なんとか出発までに仕上げることができました。

みんなに会うのが楽しみだな。大きくなっているかな。
日本の子どもたちは一体どんな反応をするのかな。
モンゴルの子どもたちの気持ち、受け取ってくれるかな。喜んでくれるかな。

期待と不安が入り交じった帰国となりました。
モンゴルには今小学校6年生がありません。最高学年である5年生でこの授業を実施したので、日本でも同い年である5年生に授業をさせていただきました。

デールという民族衣装を着ながらの、モンゴルについての授業。
モンゴル語で自己紹介をする私にもなんだかびっくりしたようでした^^
でもさすが東っこ。草原のムービーや、季節の写真。子どもたちのあいさつのビデオ、文化紹介。

資料の量がとっても多かったので心配していたのですが、ものすごい集中力と好奇心で、食い入るようにビデオを見てくれました。

「どう感じた?」という質問に、気持ちが消化しきれずしばらく悩んだ後に、戸惑いながらも
「うれしかった」「自分たちも日本の紹介をしたい!」という声が上がりました。

その時に、心から「顔の見える国際交流は、絶対に価値がある」と確信しました。
お忙しい中、たくさんの準備をしてくださった先生方、本当にありがとうございました。


日本の子どもたちのまっすぐな気持ち、今度はモンゴルに届けます。
きっと、どきどきして待っていてくれるはず。私もドキドキです。
ビデオには字幕を入れ、今はみんなの手紙を一生懸命翻訳しています。

友だちって何だろう。私は「相手の事をもっと知りたい、仲良くなりたい」と思う事ではないかと思います。みんなが色々な国の人に興味をもって、「友だち」になることは、口先だけの国際協力よりも ずっと価値があるのではないかと思いました。
第一学校の子どもと東っこの心が、これからもつながっていってほしい、またこの機会が、双方の子どもが、世界に羽ばたく小さな小さなタネとなることを切に願います。

授業は来週の火曜日。
また、報告しますね。では!バヤルタイ!!

2013年2月6日水曜日

発熱、初セミナー




1月は、3日間に渡るテレビ撮影(3月に放送予定!この事についてはまた今度詳しく^^)、日本文化紹介、首都での語学研修など 新年早々新しいものにチャレンジして成果を得、忙しくも充実の月でした。
締めくくりは1月30日、31日のセミナー。

お世話になった教授から紹介していただいて仲良くなった、通訳のバヤルマさん。
何度もモンゴルの先生と日本の小学校に来てくださっており、日本やモンゴルの教育の実際、課題、良い点を大変よくご存知な、本当に素敵な方。
そのバヤルマさんの依頼で、1月30、31とウランバートル市内の私立の小学校の先生15名を対象にセミナーを行いました。
朝の10時から、夕方四時まで二日間、計10時間

依頼内容は、「モンゴルに初めて入ったOHCの具体的な活用方法を教えてほしい」ということと、「活動をしていて、モンゴルの先生にこれを知ってほしい、必要だ」と思う事を伝えてほしいとのこと。
ふむふむなるほど。聞いた時に なんだかわくわくしたので二つ返事で引き受ける。

それで ・・・何から始めたらいいんだろう・・・。 
なんせ、自由にできる二日間の研修をゼロからまかされた事なんて初めてだったんですもの。
プログラム?
いやいや、でも 「何を目指してこのセミナーをやるのか」という目的が無いとプログラムは書けない!ということで
何度も話し合い悩みに悩んだ結果、二日間のセミナーのテーマは
「考える力を伸ばすための子ども中心の教育を目指して」

 これには深い想いもありました。
授業研究をするにも、ほめたりしかったりするにも、絶対に「どんな子どもになってほしいか」という目標が欠かせません。
一時間一時間の内容を考える時にも、「子どもたちのことを思いながら授業を考えてほしい」というのが私たちの願い。

そこからたてたプログラム。でもなんだかしっくりこない。たまたま会った先輩に話すと、とても親身になって相談にのってくださり、さらにセミナーにも参加してくれることに。
日曜日に細かい内容の確認をしていった。ここで初めて気づいた事。
「あれ?すっごくまずい状況なんじゃ・・・。」あと3日でやる事が気が遠くなるほどある。あわわわわ・・・。
その後 発熱。38.5
・・・ここから、セミナー終了までの5日間、薬飲んでも汗かいても下がらず。むしろ上がる。優しい優しい仲間たちの水や薬、ご飯の差し入れに頼り、寝るかセミナーの資料を作るかしかしませんでした。(そして太った・・・。)

月曜は小学校のメネジル(副校長先生のような役割)とセミナーの内容の打ち合わせと、視聴覚機材の試用。あっという間に当日。

一日目。実際に野菜を切って種があるか確かめてみました。
視聴覚教材と本物、どっちがいいかな?
一日目は
1 自己紹介 日本文化紹介★
2 視聴覚教育ってなんだろう?~考える力を伸ばすための視聴覚教育~
3 OHCってどんな機械だろう?使ってみよう!
4 実際に活用の仕方を考えてみよう!
5 質問、アンケート記入



二日目
1なぜ考える力を伸ばす必要があるのだろう★(左の写真。
2授業研究ってなんだろう
3授業研究をしてみよう①!「鏡の国の魔法使い」(3年、図工)★
4授業研究をしてみよう②!「昆虫の体」(2年、生活科)
質問、アンケート記入


私は「★」のコマの担当。先輩が図工の授業の手だてについて説明しているビデオを撮ってくださったので、恥ずかしながらアップしてみます。見られるかな?(顔に疲れが出ていることは気にしないで下さい笑)


先生方から「本当に面白かった!」「参加出来てよかった!」という言葉をたくさんいただいた。これは素直に嬉しかった。
先生たちに、子ども役になってもらっての授業。
 準備からセミナーまで、仲間やモンゴルの先生方から学び刺激を受けることが 
数えきれないほどあった5日間だった。

 やってみて分かった事は3点。
①「一人では何も出来なかった」ということと
②「チャレンジしなければ見えないものがあった」ということ。そして
③「協力は協力隊の最大の武器である」ということ。

①まだまだだな、というのが素直な感想。依頼を受けた段階で見通しが立っていなかったから、みんなにこの5日間凄く無理をさせる形になってしまった。自分の体調管理もなっていなかった。反省!
②正直、語学力的にも教師力的にも実力をはるかに越えた依頼だった。でも「楽しそうだな」の直感に頼って引き受けてみなければ、このような学びも無かったと思う。自分の今までの活動とこれからの方向を見直す良いきっかけとなった。
③協力って凄い!通訳のバヤルマさんがいなかったらこのセミナーは出来なかったし、詰まったときのフォローをしてくださったからこその参加者の深い理解があった。
 今回のメンバーは協力隊の中でも職業は同じ「教員」。とはいえ、一人ひとり、得意なものや持っている力は違う。全部をカバーする人になんてなれない。ならなくて良い。みんなが自分の力を最大限に発揮できるようにして協力すれば良いのだと思った。
 また、先輩方の作った去年の資料があったから、より良いものが出来たのだと思う。こうやって残していけば、これからの隊員とも「つながって」「協力して」行けるのではないかと思う。そういう意味でも、モンゴルの教員の集まりの会でのセミナー、小さい規模のものでもいいから絶対開催したいな、と強く思った。

大好きな同期。
とっさの相談にも関わらず本当に親身になって支え、引っ張っていって下さった先輩方。
セミナーを見に来てくれたみなさん、風邪の心配をしてくださったみなさん(笑)に、本当に感謝!!!