今日は5年生の算数の授業でした。
モンゴルでは、単位を変えなければ計算できない問題がたくさん出ます。
時間や長さ、距離、重さ。計算も厄介だけれども、単位の変え方の勉強をしっかりしないまま数が大きい計算をしなければならないので、混乱している子どもたちが多く、先生たちも困っていました。
5年生で教えるべき事は「何千年」「何百年」「六十年」「十年」という時間単位について。
ん?と思った方。正しい。日本の算数ではこの勉強はありませんのでちょっとこの④つをご説明したいと思います。
みんなもちょっと頭を使って考えてみよう!!
ちょっと歴史っぽいかも?
①何千とは…?
1000年を区切りとした単位。
1001年〜2000年まで→2千年代
2001年〜3000年まで→3千年代
②何百とは…?
100年を区切りとした単位。日本では「世紀」と呼ぶ。
1101〜1200年まで→12世紀
2001〜2100年まで→21世紀
つまり私たちは21世紀(3千年代)に生きていて、
1162年に生まれたモンゴルの英雄であるチンギス・ハーンは12世紀(2千年代)に生きていたわけです。この、1101年から12世紀、っていうのがちょっと難しい。
このような時間の区切りは、時を大きく見て時代ごとの特徴や大きな流れを見るために役立ちます。歴史的な事だと、はっきり何年、と分からない場合は○○世紀ごろ、と言ったりもしますよね。
★①②は2013年、などと書く、西暦をもとにしています。
③さらに60年をもとにした全く別の単位も。
実は、モンゴルにも日本と同じく、中国から伝わってきた十二支が存在しています。イノシシ年は「ブタ年」ですが(もともと中国ではブタの意味であったそうな。)
1985年は丑年、というのも全く一緒。みんな自分が何年か知っているくらいです。
それに、「木、火、土、金、水」という五行思想(ごぎょうしそう)を組み合わせます。日本はこれをさらに「兄と弟」に分けて十干(じっかん)、12と6の最小公倍数である60年で一回りします。これを十干十二支(じっかんじゅうにし)というそうです。
ちなみに私は乙丑(きのとうし)、大正14年の方と同じだそうです。そうか、私が産まれた時に60歳だった方と同じという事か。
そう考えると60年て長い時間ですよね。日本は60歳になると還暦(かんれき)といって、赤いチャンチャンコを着てお祝いしますが、これは一回りして生まれかわるという意味を込めているそうです。
参照:http://www.geocities.jp/mishimagoyomi/10kan12shi/10kan12shi.htm
モンゴルは兄と弟の区別は無く二年ずつですが、同じく60年で一回り。
④また、10年を一区切りにした単位とは、先ほどの「木、火、土、金、水」という五行思想を二年ずつで10年。
★③④の二つは中国で紀元前3世紀頃から始まったものだそうで、西暦は関係ありません。
このような①②歴史的かつ③④文化的・宗教的な時の数え方と、一年=365日などの単位換算が混ざった問題があります。
例えば、5つの60年と、25この100年と48この10年の長さを比べる問題。
また、100と45年と6ヶ月を「年」で表しなさい、という問題も。(145.5ヶ月??)
これは日常生活で使わない表現です。
教科書や指導書を日本語に訳しながら、私まで「???」に。んん?めあてはなんだ?ところが、どこにもしっくりくるめあてがない。これは困った!
計算が出来るとしても、時間の感覚を身につけたり単位を使いこなすことにはつながらず混乱するよね、と担任の先生と何度も話し合った結果…
今日の授業のめあては二つ。
①色々な時間単位で時を表すこと
②時間の単位は、時間を分かりやすく表すためにあることを理解し、正確に選ぶこと
そして次の時間に、指定されている教えるべき事は教えよう、ということでまとまりました。
ただ、単位を変えることって意外と混乱しますよね。
1年=12ヶ月。じゃあ52ヶ月は何年何ヶ月??
1分=60秒。じゃあ3976秒は何分何秒??
そこで!!ある秘密兵器を用意しました。
どんな授業をしたのか続きはまた今度😊
ヒント写真★
先生が手に持っている「マシーン」は一体どんな意味があるのでしょう?
明日はもう一クラスの先生の授業。
それが終われば、この二年間の活動の中で、5番学校に行くのはもう最後!
残り半年をきり、いよいよ終わり始めました。
ばたばたしているのでついみんなへの連絡が遅くなりがちでごめんね。
今週こそモンゴル通信!といつも思ってはいるのですよ〜〜〜><
とりあえず次のブログ更新をお楽しみに!